新規事業開発の実務

花粉症 (>_<)

グリーフロンティア部活動日誌④

(グリーフロンティア制度の説明)

 

グリーフロンティア部(仮)の第4回を実施しました。

 

これまで、「第1回 新規事業評価の観点」「第2回 事業計画書の分析」「番外編 ITビジネスの未来を考えるトークセッション」に続く第4回目。

 

f:id:naoto111:20130725084146j:plain

 

今回は、部員による事業アイデアの発表会です。

 

参考書を分解し、再定義する。というアイデア

最初の発表は内田じゅんせいさんの「100まんもん」。発表順は決めていなかったが、シャイなグリー社員から「僕がやります!」と手が挙がるのが嬉しい。

 

「100まんもん」は、紙の参考書とその流通市場が抱える問題を解決する、学習者のためのソリューションだ。

 

内田氏は当初、コミュニケーションを軸とした、学習者をつなぐ教育プラットフォームを志向していたが、グリーに在籍する高学歴モニター(うちの社員は本当にきらびやかな経歴を持ってる人が多い)へのヒアリングとディスカッションを通じて、参考書発行者と学習者を、「問題」を通じてつなぐ B to B to C ビジネスへ方向性を切り替えた。

 

「コミュニティの創出」という漠然とした方法論に比べてずっとシンプルなコンセプトは、他の部員にも正しく伝わったようで、発表後はビジネスモデルの在り方について様々な議論がなされた。

 

女子の釣りブームが来る!・・・と思う!

二番手は中川めぐみさんの「大漁!魚ギャルグリ船丸(たいりょう!うぎゃるぐりせんまる)」。インパクトのあるプロジェクト名で注目を集めた。

 

f:id:naoto111:20130725082529p:plain

 

彼女の洞察によると、ここ数年女子の間で釣りが密かなブームになっているのだという。「密かな」なので本当かどうかはしらないが、水産庁が公式に進めている「ウギャルプロジェクト」などの例を見ると、推進したい圧力はあるようだ。

 

週末にテレビをつけっぱなしにしていると釣り番組を見ることがあるが、どう考えてもコアユーザー層は中高年の男性に見える。女子向けのムーブメントと言われてもいまいちピンとこない。彼女によると、男性に特化した釣りビジネスのマーケティングが、女性が釣りを始めるにあたって障壁となっているとのことだ。

 

で、そのブレイクスルーになるのが彼女の企画する「ギャル×モバイル×釣り支援サイト」である。女子の釣り認知と、実際の行動の間にある障壁がなんなのかを突き詰めた結果だという。

 

まじめな話をすると、潜在ニーズの刺激と開放ということであれば割と調査や検証はしやすいような気がする。そして中川さんは、以前女性専用のバー経営でテレビに取り上げられるほどのブームを仕掛けたやり手の実業家だ。その潜在ニーズをどのような形でビジネスに変えていこうとしているのか。彼女の企画パートナーが、東大卒で現在はスマートフォンキャリアとの渉外を手がけている人物というのも意外だが興味深い。

 

視覚に訴えかければ、「歴史」はもっとおもしろい

続いての発表者は鴨林さん。プロジェクト名は「歴史地球儀」。アイデアの元になったのは2008年に公開された以下の動画だ。

 


World Battleground, 1000 years of war in 5 minutes ...

 

上記の動画に触発された鴨林氏の着想は、Googlemapのように、データを座標にマッピングしたサービスは多数存在するものの、そこに時間軸を加えることで全く新しいことが実現できるのではないか、というものだ。そしてその膨大な手間を「ユーザー参加型」モデルを採ることで解決しようというもの。

 

「歴史地球儀」のコンセプトはこうして生まれた。鴨林氏は、今回の発表者の中で唯一簡単なプロトタイプを用意してきた。技術的な実現可能性を示す一方、参加者とのディスカッションで争点となったのは「プロダクトの育て方」だ。マーケティングと資金計画、ビジネスモデルを詰めていくことで、一層魅力的なプロジェクトになるだろうと感じている。

 

コンテンツビジネスにおける、お金の流れを完全に変える

続いての発表者は広告事業部の設楽さん。彼はアジャイル開発のエヴァンジェリストで、多数の書籍も執筆しているその道では有名な人物。

 

彼の発表はコンテンツファンドのCGMといったらわかりやすいだろうか。力の入ったプレゼンテーションで参加者を圧倒した。

 

f:id:naoto111:20130725090022p:plain

 

設楽氏は、日本人が投資的な感覚を持たないのは歴史的な経緯があると分析。一方で、自分の好きなもの、気に入ったものには考えられないほどのお金を使うという側面がある。コンテンツビジネスにお金が回らないとか、クリエイターが得られる報酬が安すぎるなどの問題があれば、それは金融の問題だと主張した。

 

そして彼は、多くのIPを抱え、コンテンツホルダーと連携しながらプラットフォームビジネスを行ってきたグリーならば、そのシステムに革命を起こすことができると考えている。

 

簡単に言えば、グリーに複数のソーシャルゲームやアニメ、出版等の企画が掲示されている。ユーザーは「これは!」と思う企画に投資し、資金が集まったら開発、その事業成果に応じてキャッシュバックを行うというものだ。KickStarterなどのクラウドファンディングは事業が成立したら物品や体験型報酬をフィードバックする「体験型・参加型EC」と呼べるものだが、設楽氏の構想はもっとスケールの大きいものだ。

 

もちろん、スケールが大きいだけに関連法規や実現可能性などケアしなければならない部分も多いが、多様な業種から様々な才能が集まるグリーならばその渉外を乗り越えていけると信じているそうだ。

 

ベタ

続いたのは、飛び入り参加の山本さん。急ごしらえのエレベーターピッチのみでの参戦となった。

 

イデアは「韓流アイドルをテーマにしたソシャゲ」。ソーシャルゲームはグリーの主力事業でもあるため、プレゼンも議論も現実的な話が多かった。