新規事業開発の実務

花粉症 (>_<)

ランサーズの「フリーランスCMO」という謎のロールにアサインされた件について

「フリーランスCMO」という謎の役職にアサインされました。

 

「社内リソースで解決できない課題を抱えるエンタープライズなプロジェクト」と、「高い専門性を持つフリーランス」とのコラボレーション創発が当面のミッションです。

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振り返ってみると、こうなったきっかけとしては大きく2つあったような気がします。

 

ことしの夏ごろから、アドバイザーとしてランサーズさんの事業に関わってきたのですが、その過程でフリーランスという存在は世の中にとって、いま必要なものなんじゃないかと思いはじめたんです。

 

ひとつめ。 

主にデジタル化に起因した新しく専門性の高い技術や知識を、企業は自社の社員だけで賄うことはできなくなっている、というリアルな感触がありました。

 

以下は、国内企業のリーダー職以上600名に対して行ったアンケートの結果です。フリーランスに求められているのは「安さ」よりも「高い専門性」でした。

 

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ランサーズのWEBサイトで仕事一覧を覗いてみると、比較的低単価の案件が多いのですが、まだ見えていない市場があるんだな、と。これはもうちょっと深掘りしてみたいと感じました。

 

そこで実際の企業にヒアリングをしてみようと、とある大手広告代理店のプロデューサーに、聞いてみました。

 

自分「今、どんな業種でフリーランスを探してます?」

 

プロデューサー「UnityエンジニアとUI/UXデザイナーかな。」

 

意外な答えが帰ってきました。広告代理店のプロデューサーなので、カメラマンとかコピーライターみたいな回答が帰ってくるものだと。

 

「企業の顧客コミュニケーションは、いまやデジタルを抜きには語れない。国際的な広告賞受賞作品もインタラクティブなやつが年々増えているよね。で、社内にできる人いないからエンジニアとUXデザイナー超さがしてる。」

 

確かに、広告代理店のプロパーにUnityエンジニアはあまりいなそうな気がします。

 

その後もインタビュー (飲み会) を重ねると世の中のニーズや変化に敏感である企業ほど、自社のケイパビリティに足りないものを正確に認識し、外に目を向けはじめているな、と実感しました。

 

 

ふたつめ。

働き盛りの20代〜40代は今の環境で新しいビジネスを生み出さなければならず、そのためにチャレンジする環境が必要だと感じます。フリーランスにならずとも、複業や兼業によって新しい領域に携わることで、スキルアップやイノベーションの可能性を高められるのではないかと。

  

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上図は、事業のステージと不確実性の関係性を表したものです。できるかどうかの新規事業も、成長するに従って不確実性をコントロールするようになり、最後には不確実性の排除に努めるようになります。この流れは不可逆です。

 

高度経済成長期に発展した日本の中核産業、例えば製造業なんかは、ステージ3にあたります。ミッションクリティカルな領域なので、新しいスキルや技術を試すことや、チャレンジすることはリスクとみなされマイナスのインセンティブが生まれます。

 

デジタルサービスやソフトウェアみたいな新しい産業は、不確実性が許容されるステージ1〜ステージ2の方がやりやすいので、ステージ3にいるけど新しいことやりたい人は複業とか兼業とかの選択肢があるといいんじゃないかと。

 

もちろん、人間には性分というのがあって、「昨日と同じ明日がくることを望むタイプ」と「力あるものが望むままに変えられる世界を望むタイプ」、人の好みは十人十色。個々人がやりたい仕事を、柔軟に選択できる環境があったらなー。

 

 

そんなこんなで、 

フリーランスという働き方は、いま、いいかもなー

 

と感じはじめていたのですが、私個人の感想はともかく、現実的な課題もあります。

 

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前述の通り、企業はフリーランスの持つ高い専門性に魅力を感じ、活用を思考しているのですが、実に3割近い企業で禁止されている。「使いたくない」と回答している層についても、使いたくない理由の31%は「会社で禁止されているから」だったりする。

 

企業とフリーランスの間に横たわる溝は深い。。。

 

 

ちょっと長くなりましたが

フリーランスという働き方に興味を持った自分は (自分自身も7月からフリーランスだしw) 自分は以下のようなことをやってみたい、と、ランサーズ社長の秋好さんに話しました。

 

①フリーランスを使いたくても使えない企業に、ソリューションを提供する

②フリーランスを使いたくても、実際、優秀なフリーランスは見つけづらいので見つけやすくする

 

それでまあ、需要サイドの期待値と供給サイドの提供価値のギャップ解消や、 Problem/Solution Fit の発見はマーケティングだし、リーチしてないターゲットだからチーフだよね、でもフリーランスだからそこは明確にしないとね、って感じで「フリーランスCMO」という一風変わった肩書きをいただきました。

 

プレスリリースが出たあと、「フリーランスでCMOってのが、ランサーズのビジョンを示してていい」なんてメッセージをもらったので、よくわからないこともないのかな。

 

いずれにせよ、そういうわけでやっていきますので、高い専門性を持つフリーランスを探している方、チャレンジングなミッションに挑みたいフリーランスや複業の方、いらっしゃいましたら kyo.naoto@lancers.co.jp または naoto@karmanline.co.jp までご連絡ください。